高槻市北部の自然豊かな場所に、高齢者施設の新築を行いました。
認知症型グループホームと、看護小規模多機能ホームの複合施設です。
単に施設の新築を行うだけではなく、
入居者・利用者・地域・職員、関わる全ての人が過ごしやすく、
集いたいと思えるような居場所づくりを第一に考えたプロジェクトです。
建設地は、高齢化が進んでおり、地域の方々は、
この場所に新施設ができることを心待ちに
されていました。
又、一人暮らし・高齢夫婦のみの世帯が多く、
地域の「準避難拠点」として、福祉サービスの利用だけでなく、
地域の人々を受け入れる役割も兼ね備えています。
木造を選択した理由について、
認知症の方は、昔の記憶があると脳機能が賦活されるという
データがあります。
・なじみの空間・環境で暮らすこと
・人生の延長線上としての暮らしの場となること
上記二点を重要であると考え、
なるべく住宅に近い建材やインテリアとすること。
、
入居される方が元々暮らしていた環境(木造住宅)を
彷彿とさせるような環境づくりが最も大切だと考えました。
庭・外とのつながりについて、
「施設」と聞くと、塀や門で囲われ、外部からは入りにくい
雰囲気がありますが、あえて塀を設けず、外部との境界を
植栽でやわらかく仕切る計画としました。
樹木の選定には、季節を感じるもの・実がなるもの・匂いの
するものを選定し、見て楽しむだけでなく、収穫して食べたり、
皆で調理できるよう、暮らしになじむ庭づくりを目指しました。
これから先、地域とつながり、入居者が笑顔で暮らせる
場所となることを願っています。