株式会社住建設計

ケアホームクリエ

建築主
社会福祉法人世光福祉会
用途
グループホーム(知的障がい者)
所在地
京都市伏見区向島津田町115番10及び117番8
構造・階数
木造・地上2階
敷地面積
423.57㎡
建築面積
244.66㎡
延べ面積
273.99㎡
工期
2023年9月~2024年3月
施工
株式会社 堀井建設
受賞歴
・第6回 京都の木の家づくり表彰事業 奨励賞

知的障がいを抱えた5人の入居者が生活をするためのグループホームの計画です。

 <なんとなく別々なんだけど、なんとなく一緒にいる>を住まい方のコンセプトとして、5つの家を集めるのではなく、入居者5人それぞれの個性を踏まえて生活・行動まで分解し、個室の大きさや水廻り・キッチンの位置と数、入居者同士やスタッフとの距離感など丁寧に調整しながら、5人が暮らすための3棟として計画しました。

 外観は9枚の屋根と3種類の仕上げを使い分けた外壁で構成し、大きな1棟ではなく小さな部屋の集合体に感じられるデザインとすることで、周辺の住宅に対する圧迫感を軽減するとともに、多様な個性を持つ入居者が寄り添って暮らすという法人の想いが表出した象徴的な佇まいとしました。

 建物の室内外に京都府産木材を活用して、「施設」ではなく「集まって暮らす家」を目指しました。外部は外壁の杉板張りや柱梁・軒裏の構造材をあらわしとし、内部は仕上げや建具・家具などに木材を利用することで、優しく温もりのある空間を実現しました。

棟を行き来する際は深い庇の下を通る事で雨に濡れず移動することが可能。

小さな単位の集合体と見えるように、外壁は3種類の仕上げを使い分けた。

近隣に対する防音に配慮して、中庭にのみ開口部を制限したユニット。

敷地内に複数の住宅が程よい距離感を保ちながら寄り添った配置計画。

複数の窓から光が差し込む、天井高の高い居間。入居者がくつろぐためのスペース。

照明を仕込んだ構造体がアクセントになっている。

各入居者の居室は防音性に配慮して、二重窓としている。

車椅子利用者が入居するので、余裕をもって転回可能な脱衣室と浴室を設けた。