株式会社住建設計

綾部ルネス病院

建築主
医療法人 綾冨会
用途
病院
所在地
京都府綾部市
構造・階数
RC造・地下1階地上5階
敷地面積
2,735.01m^2
建築面積
1,233.41m^2
延べ面積
5,885.51m^2
工期
2004年7月 ~ 2005年10月

 「真に質の高い医療こそが地域病院に求められる医療」との基本理念のもとに、スウェーデンを始め、各地の「良い病院」と称される施設を見学し、設計開始まで1年以上にわたり検討を重ねました。
 新病院は、免震構造で且つ外断熱構法、屋上緑化そして、電子カルテの導入と高度医療に重ねて地域医療施設としての最先端を目指しました。
 免震装置は、綾部が活断層に近いこともあり手術中や診察中の障害や患者の不安を無くすための重要な機能であると同時に万一、災害時には地域医療機関としての機能を持続させることが可能です。

 外断熱構法は、一年を通して適宜に換気を行いながら恒温湿を保つので、快適な医療・居住環境を作ることができ、且つランニングコストが大幅に低減できます。研究の結果採用した100mmの断熱材は国内では稀な性能です。屋上緑化は癒しやエコの観点の他、建物の断熱効果も期待出来ます。
 患者にやさしく、且つスタッフが働き易く誇りの持てる病院を作り上げることこそが基本理念の根底にあります。

 患者は長時間待たせない。待合は廊下でなく待合室で。障害者はサイン誘導でなくスタッフが介助する等、これまでの病院が持つ患者に対する既製の概念を払拭し、外観・インテリアを含め、「真の癒し」を求めた病院を構築しました。「木の内装、アート、色調」などを断片的に使用するだけでは癒し空間の実現は難しく、運営者の思想とそれら要素を繋ぐ建築的なディテールがあってこそ「真の癒し」が得られるのです。